| ちびろくとおっぱい |
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出産直後から、退院まで |
| ちびろくとおっぱい |
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出産直後から、退院まで |
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 出産当日 [1999/11/09 8:17pm] |
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ちびろくが、はじめてちちくびをふくんだのは、生まれてすぐ、分娩台の上だった。 今思えば、感動すべき母と子のはじめての共同作業（←ケーキカットか？）のはずだが、現実はそんなおおげさなものではなかった。 ぎゃあぎゃあ泣きわめくちびろくを、助産婦さんが「よいしょ」とわたしの胸の上にのせてくれ、格好だけくわえさせる、という感じである。 泣きわめくために大きく開かれた口に無理矢理ちちくびを突っ込むという風で、たぶんちびろくは吸いつきもしなかったように思う（←記憶は曖昧）。 ちちは全然張っていないし、何のためにこんなことをするのかと不思議に思ったことを覚えている。「儀式」かしら、と考えたくらい。 この「はじめての授乳」のようすの写真がある。カメラマンは夫。 張り切って撮ったのだろうが、ちちは真っ平ら（←ハズカチー）だし、ちびろくの顔は真っ赤で「鬼瓦権造」のようだし、まったくヒドイ有様である。 とてもアルバムには貼れないほどのものすごさ。現実って、こんなものなのね…。グシュン | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 出産当日おまけ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
処理が済み、分娩室から部屋に運ばれると、すぐにほやほやのちびも連れてこられた。 夫と、心配してずっと待っていてくれたわたしの母と、出てきたてのちびと。 わたしのベッドにちびも寝かせてもらい、ずっと手をつないでいた。 顔がしっかりしているだの、眉が濃いだの、大人たちは勝手なことを言い合い、ちびはくうくう眠っていて、わたしの人生の中できっといちばん特別な時間。 ちびは、ちいちゃくてふよふよしてて、つないだ指があたたかかい。 爪が赤く染まっているのは、彼ががんばって産道を通ってきた証。 ちいさいお顔が真横にいて、正確に息をしている。 「あんたはどこから来たのかねぇ」 って、とても不思議。わたしの腹からだけどさ。 さっきまで存在すらしていなかったくせに、もう一人前の顔をして、ここにいるのが当然のように息をしている。 かわいいねぇ（←早くも親ばか）。水につかりすぎた、ふやけたかえるみたいだけどさ。 とてもとても、しあわせ。 ちびが新生児室に引き取られた後も、新米かーちゃんは興奮しすぎて眠れなかったのだ。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 出産後１日目 [1999/11/10] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
おっぱいとの戦いは、この日から始まった。今日からさっそく母子同室である。 ちびろくは、お風呂にいれてもらってピカピカになってやってきた。 「そんなもん、もってきてもらっても…」 というのが正直な第一印象。（ゴメン） こ～んな何もわかっちゃいないハハオヤのところに来るよりも、新生児室で経験豊富な看護婦さんにお世話してもらう方が、ちびろくにとってもどんなにかよかろうに！と思う。 「泣いたらおっぱい」と指導され、おっかなびっくりハハオヤスタート。ちびが泣くたびにドギマギする。 とりあえず、泣いたらおしめを調べる。 ぬれていたら、替える。 これはわかりやすくてよい。新米かーちゃんも、これだけは自信を持ってできる作業だ。 病院は布おむつ。よごれたおしりは、ガーゼをお湯に浸して拭いてやる。よごれおむつはバケツにいれておき、たまったら然るべき場所に持っていく。新しいおむつも山積みで、取ってくればよいだけという素晴らしいシステム。うふふ、ラクチ～ン。 ここで泣きやんでくれればよいのだが、そうはいかない。 「腹減り？」 しかし、おっぱいはちっとも張らない。 しかも、おっぱいマッサージは痛い。 出産で痛いのは終わったと思っていたのに、甘かった。さらにちびろくがおっぱいにひしっと張り付いてて、すっごい力で吸いまくるのだ。特に吸われはじめるとき痛い。 おっぱいはすこ～し滲んでいる程度で、これからちゃんと出るようになるのか、とても不安である。１時間ごとにふくませるものの、出ているのかどうか、わたしには全然わからない。 ちびろくを抱っこして飲ませるのだが、姿勢が悪いせいか左肩と腰が痛む。切ったところ（マジで痛い！）を庇うから、余計不自然な姿勢になり、あちこちほかのところまで痛くなるのだ。 飲ませると、きゅ～んとおなかも痛くなる。 子宮が戻るための収縮の痛みらしいけれど、生理痛の強烈なヤツの何倍も痛い。 母とは痛いものなのだ。 誰もこんなこと教えてくれなかった！ お産関係のマニュアル本も読んではいたけれど、こんなことまでは想像していなかったのだ。みんな、この諸々の痛みを乗り越えておかあさんになっているのね。涼しい顔して、女ってすごい。 ちくしょー、ちびろくはぜったいひとりっ子だ～！！ お産の最中にも思ったけど、これで確実。 それでも赤ん坊は、容赦なく泣くのよ。 「待ってね～、すぐ、おっぱいあげるから～」（←フラフラ） | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 出産後２日目 [1999/11/11] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
病院の朝は、助産婦さんによるおっぱいチェックから始まる。おっぱいを押すと、うすく乳が滲んではくるものの、おっぱいはやわらかくふにゃふにゃで、ちっとも張っていない。 「おっぱい、でにゃい～！！」 ちびろくは、お手々クロール、あんよケリケリして大泣きである。 今日からは、おっぱいを飲ませる前と飲ませた後に、スケールでちびろくの体重を計測するよう指示される。こうすることで、どれくらいおっぱいを飲んだかがわかる仕組みだ。 この、体重をはかるのが、結構つらい。 飲ませる前はまだよいのだが、飲みつかれて眠ってしまった子を、煌々と明かりのついた廊下へ持っていくと、起きてしまいそうでビクビクする。スケールは各部屋にあるわけではなく、廊下の先のゲストルームに１台しかないのだ。ちびろくを、つめたい台の上にのせるのもかわいそうだし、ひやっとして起きてしまうのではないか、冷や汗ものだ。 「何とかこのまま眠っててくれぃ」 これが、産後間もないハハのココロの叫びである。 目を覚ましているときのちびろくは、泣いている時間がほとんどだ。 泣きわめく赤子を放っておくほどの勇気はまだなく、フラフラになりながら、抱っこしなくてはならない。あちこち痛いし、ハハだってつらいのだ。 ちびが眠っている時間は、ハハにとっても貴重な睡眠時間。１分１秒でも長く、眠ってほしい。 「ふやぁ、ふやぁ」 と起こされると 「ちっ」 と思ってしまう。 とてもじゃないが「まあ、かわいい我が子が泣いているわ。待ってね、すぐ、おかあさんがおっぱいあげますからね。ちゅ」という余裕はない。 「くっそー、もう起きやがって。はいはいはい、ちょっと待て、待て待て。今おっぱい消毒してんだから…、ちょっと待てって言ってるだろーっっ」 というのが関の山である。 しかも、そんな苦労をして飲ませた挙げ句はかってみれば、体重は２ｇしか増えていない。 …２ｇって、つまり２ｃｃしか飲んでいないのだ。それっぽっち、何の腹の足しになろうか。このまま飢えて死んじゃうんじゃないかと心配である。 看護婦さんは、気楽に 「赤ちゃんは３日分の水筒とおべんとうを持って生まれてきてるからだいじょうぶ」 と笑顔で言うが、そんなもんなのか！？生まれてから２日も経つのに、飲まず食わずじゃ、あまりにもかわいそう。しかも、ミルクを飲ませるのは絶対禁止を言い渡されている。 ミルクがだめなら、せめてお白湯でもやってはいけないのだろうか！？こんなびいびい泣いてるのに～。 飢えて死んだらどうするの～。あんな痛い思いをして産んだのに！泣きついて、夜中にやっとミルクをもらう。それでも、たった２０ｃｃしかくれやしない（←ケチ！！）。 このミルクを、ちびろくはあっという間に飲んでしまった。やっぱりおなかがすいていたのだ。どうしよう～。おっぱいは、果たして出るのか！？ 肝心のおっぱいはちちくびの先っぽが切れて、とてもとても痛いのであった。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 出産後３日目 [1999/11/12] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
今日も、おっぱいは２ｃｃしか出てない…。 ちびろくはぎゃんぎゃん泣き続け、おむつも寝間着もよれてしまい、ジャミラ状態。まったく、母子ともどもひどい有様である。 それでも、ちびろくは出ないおっぱいに、必死でちゅくちゅく吸いつくのだ。 ハハは、痛いばっかりである。
夜には、やっと２ｃｃから脱することができた。 うれし～い！！しかし、すでにちちくびは真っ赤で、相当痛い。 そして、だんだんおっぱいが重たくなってくる。ずっしりと、「ちちが溜まってますぜ～」というのがはっきりとわかる。 ちびろくは、 「にょませろ～！」 と、おっぱいを欲しがって泣くけれど、マジでちちくびが切れて痛いのだ。 「頼むよ～。あとちょっと、待ってくれよぅ」 と、何とか１時間、無理矢理保たせて、授乳間隔をあける。 おっぱいが張ってくると、嬉しいもののますます痛い。それでなくても体中痛くて体勢をかえるのも一苦労だし、おっぱいを飲ませるためにちびろくを抱えてベッドに座るのだってタイヘンな状態なのだ。 産後の回復どころか、痛いところはどんどん増えていく。つらいよぅ～。この痛いのは、いつ終わりが来るの～。トホホホホ… | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 出産後４日目 [1999/11/13] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
おっぱいマッサージは、痛い。 ちちくびを、針で刺されているような鋭い痛みだ。ヒ～ 房のところもゴツゴツで痛い。 おっぱいが足りていないのだろう。夜も、ちびろくはがんがん泣き、わたしはもう、フラフラである。 おっぱいとおっぱいの間を１時間はあけるよう指導されるが、当然１時間経たないうちに、ちびろくは泣き出してしまう。おしめを替えても泣きやまず、口元はアワアワと、おっぱいをほしがっているらしい。 しかし、ここが我慢のしどころ。 抱っこ、抱っこで誤魔化すしかない。ちちくびの皮が剥け、痛くて痛くて、とてもふくませられる状態ではないのだ。 しかし、おっぱいの調子は格段によくなり、ちびろくがごくごく飲めるようになった！（気がする） それでも、実際にはかってみると、５０ccも出ていない。新生児が一度に飲める量はそんなものなのだろうか。 「んあっ、んあっ」と息つぎしながら、ちびろくは上手に飲む。 「あく、あく…（休憩）、あく、あく…」と、自分で調整することも覚えた。 「ちゅくちゅく」と音がするときは、要注意。 ちちくびを深くくわえていないので、ちちくびの切れたところを思いっきり引っ張られ、むちゃくちゃ痛いのだ。慌ててずぼっと口の奥まで突っ込まなくてはならない。 おっぱいをめぐる壮絶なバトルである。 おっぱいが張って、重くて、痛い。間違いなく垂れるね。 もう、いいんだけどさ。グシュン | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 出産後５日間 [1999/11/14] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
退院の日。 おっぱいは、岩のようにゴツゴツと張って、とても痛い。おっぱい体操をしたら、タラタラおっぱいが流れ出てくるほどだ。 「ちびろく、起きて飲んでよぅ～」 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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