ちびろくとおっぱい

母乳不足発覚！

母乳不足発覚！？ ちびろく２ヶ月後半

産後１ヶ月、実家天国にお世話になっている間は、おっぱいの調子はかなりよかったのだ。 １ヶ月検診では体重が１日につき３５ｇの増加で母乳のみでＯＫということだった。 それが自宅に戻り「もはや産後ではな〜い！」と調子に乗り始めた頃から出が悪くなってきたように思う。 愚かにもわたしはそれを認めようとしなかった。 「おっぱい足りてないんじゃないの？」 という母の心配も 「でも夜はよく寝るし…ダイジョウブだよ」 ということにしていた。 確かに、ちびろくは夜もぐうぐう寝ていた。 １０時頃に最終おっぱいを飲んでしまえば、後は朝までぐずることなく保っていたのだ。起きても朝５時や６時くらい。２ヶ月そこそこくらいから、そのペースだった。 多分ちびろくは「よく寝る子」なのだろう。そのために、多少おなかがすいていても夜は寝てしまう。そして昼間、「オナカスイタヨウ」と泣くのだが、わたしは意地になって３時間おきの授乳時間を守っていた。 おっぱいの回数は少ないのに、出ていないのではお話にならない。１ヶ月期、２ヶ月期のちびろくには、かわいそうなことをしてしまった。 今からでも取り返しはつくのだろうか！？

軽い！？ ちびろく２ヶ月後半　[2000/01/31]

何気なく、ちびろくの体重をはかってみた。 ちびろくを抱っこして体重計に乗り、大人の体重をマイナスする大雑把なやり方である。 すると、ちびろくは随分軽いことが判明したのだ。 一日３０ｇずつしか増えていない 実はおっぱいが足りていなかったのか！？ わたしのプライドはずたずたである。 あんなに痛い思いして、大きく産んだのに（３，５５０ｇ）、小さく育ててどうする！？ 一時期ぎゃんぎゃん泣いていたのは、実はおなかがすいていたのだ。 育児書には 授乳間隔があかず、赤ちゃんが頻繁に泣き、体重が増えないというときは粉ミルクを補いましょうと書いてある。しかし、赤ちゃんが泣くのは空腹だからばかりではありませんとも書いてあるのだ。泣くからといって、おっぱいをやればよいというものではありませんとか。 おなかが空いて泣いているのか、単にかまってほしいのか、新米ハハには判断ができない。とりあえず抱っこでおさまるならよいのかと、今までの泣きはすべて抱っこ、抱っこで乗り切ってきた。 正直に言おう。 ミルクを飲ませるのは、わたしがいやだったのだ。 おっぱい育児こそが最良で、ミルクでは「だめなおかあさん」という烙印を押されてしまう。そんな図式のもと、自分のおっぱいが足りていないと認めるのはいやだった。夕方になると張りをなくすちちに不安を覚えはしたものの、ちびろくがぐずるのは夜の７時すぎから１１時頃までで、その後は朝までぐっすり寝ていた。寝ぐずりかなぁということにして、母乳不足の可能性には目をつぶっていたのだ。 ああ…、なんてこった。とりあえず、夜眠る前にミルクを足そう。 おなかが空いて泣いていたのね。スマン。これからは、おなかいっぱいになるまでミルクをあげるからね。

ミルクを足す ちびろく２ヶ月後半　[2000/02/06]

スケールをレンタルした。 一体どのくらいおっぱいが出ているのか、はかってみないことには心配で仕方がない。 あまり少ないようなら、ミルクをもっと足さなくてはならないだろう。とにかく、ちびろくが大きくならなければお話にならないのだ。 片方ずつ１０分の１セットで１４０cc。 …こんなもの？ 育児書によると、ミルクの場合１回に２００ｃｃまで飲ませてよいらしい。 ２００ｃｃに足りない分、ミルクを足すことにする。 ６０ccのミルクを、ちびろくはぐびぐび全部飲んでしまった。やっぱり飲み足りていなかったのだ。 「ごめんね、ちびろく。せめてミルクをたくさん飲んで、体重を増やしてね、お願い」 「うん、かーちゃん。みるくもけっこういけるぜ〜。おれ、ぜんぶのんじゃうぜ〜」

ミルクだいすき ちびろく３ヶ月　[2000/02/08]

ミルクを足しはじめて、１週間ほど経ち、ちびろくは３ヶ月児になった。心なしか、ほっぺたがぷよぷよになってきている。 しかし、ミルクを足すと、途端にちびはおっぱいを飲まなくなった（ような気がする）。 おっぱいを吸わせていると、途中で眠くなるらしくお口が動いていないことが多い。そんな時は頬をつついて起こすのだが、またすぐに眠り込んでしまう。それがおっぱいの後、哺乳壜を口にあてると「ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっ」と音をたててグビグビ飲むのだ。もちろんお目々もキュッと見開き、ちっとも眠そうではない。 「ちびろくは、おっぱいよりミルクがすきなの！？」 とても悲しい。 哺乳壜でミルクを与えると、赤ちゃんは飲みやすいミルクばかり飲むようになるというのは本当らしい。 そしてショックなことに、肝心のおっぱいはますます出が悪くなっているようなのだ。おっぱいを飲み始めて５分を過ぎる頃になると、ちびろくがじたばたしだす。体をのけぞらせ怒っているようだ。…もうおっぱいは出ていないのかもしれない。 「ちくそー、出ないじょ〜」 と抗議しているのか！？ はかってみると１回の授乳（１０分×左右１セット）で１００cc弱しか出ていないのだ。 このままだと、ちちは確実に枯れてしまう。ちびろくはミルクっ子になってしまうのか。 それは悔しい。そんなのは絶対にいやだ。 だって、ちびろくのおっぱいを飲んだ後の顔はとてもかわいいのだ。 「ぷは〜、まんぷくだぜ〜」 とおっぱいを飲みながら眠ってしまう、ちびろく至福の時。 「かーちゃんにだっこされて、おっぱいのんで、おなかぽんぽんで、おれはしやわせだぜ〜。あ〜、ねむいぜ〜」 それは、ハハオヤにとっても、とてもとてもしあわせな時間なのだ。だって、おっぱいは、わたしにだけ与えられた特権だから。他の人には絶対にできない、ハハオヤだけが独占できる甘いひととき。赤ん坊と二人の世界で、思いっきりイチャイチャできるのだ。 人生の中でおっぱいを飲ませることが出来る期間なんて、ほんのすこし。しかも、わたしの場合、１年後には職場復帰する予定なのだ。ちびと一緒にたっぷり過ごせるのは、本当に今だけだ。今のうちくらい、ちびろくと蜜月を送りたい。 何が何でもおっぱいのみで育ててやるんだ！ ミルクは足さないことを決意する。 これはわたしの勝手な意地だけど。本当のことを言えば、ちびろくはおなかがいっぱいになれば、おっぱいでもミルクでも、どちらでもよいのだろうけど。 それでも。 さあ、どうなるか。こうしておっぱいをめぐる闘いが本格的に始まったのだった。

---